皆さまこんにちは。宝塚担当のそらです。
前回は宝塚のスターシステムについて紹介させて頂きました!
生徒(ジェンヌ)には序列があり、トップになるため、スターになるため、日々努力をしており、ファンは特殊かつ厳格なルールの下、各々のご贔屓を応援しているということをお伝えしました。
では、具体的に彼女たちはどのような公演を作り上げているのでしょうか。
ということで、今回は「宝塚の豊富な公演演目」についてお話します!
宝塚の公演、どのようなイメージをお持ちですか?
ベルばら!
兎に角恋愛!
羽!羽!!
ええ、もちろんそんな演目もございます。
しかし恐らく皆様のイメージとは異なるであろうものも沢山上演しています。
宝塚には座付きの脚本家・演出家が数十名いて、完全オリジナルの作品を上演することもありますが、海外ミュージカルの潤色や映画や漫画、小説、ゲーム等の原作のあるものの舞台化も多く行っています。
オリジナル作品も素晴らしいものはたくさんありますが、ここでは原作のあるものの舞台化をいくつか紹介します。
最初は、宝塚の古典ともいえるこの作品
『ベルサイユのばら』!!
こちらはご存知の方も多いのではないしょうか。
池田理代子作、1972年からマーガレットにて連載されていた漫画が原作です。アニメ版も有名ですね。
宝塚でも1974年にいち早く舞台化。『オスカルとアンドレ編』『フェルゼンとマリーアントワネット編』、そして外伝等、多くの作品を作り、再演を重ねてきました。
「ベルばら芝居」という言葉もあるほど、その表現方法は古典的で形式的。私は、観る度にやはり宝塚は伝統芸能だと感じます。
さて、続いては…
「君の瞳に乾杯」
そう、名作『カサブランカ』です。
ハンフリーボガートのトレンチ姿はいうまでもなく格好良いです。
宝塚でもこの再現度で演じていました。
台詞から、行動から、身につけるものから、「男の美学」を存分に感じることのできるこの作品は宝塚にぴったりだったと思います。
ストーリー、演出が映画からほとんど変わっておらず、楽曲やダンスを始めとするパフォーマンスも、映画のニュアンスを汲み、かつ舞台でしか表現できないものになっていたと思いますので、映画好きな方、是非観てみてください!
お次はこの作品。
三島由紀夫『春の雪』
近代文学も舞台化しちゃうんです。
大正初期の東京が舞台。
小説では、華族の息子・清顕と伯爵家の娘聡子の、不器用で切ない恋を繊細に抒情的に描いています。
宝塚では、原作のイメージを損なうことなく、脚本、役者、舞台セットのすべてが緻密に絡み合い、「滅びの美学」を体現した耽美な世界観を創り上げていました。
『春の雪』は、小さい劇場で少人数でやる「別箱公演」という公演でした。
少数精鋭で、一人ひとりの濃厚な役作り、徹底された舞台セットで劇場全体が大正の空気になっていました。
そして最後は、日本人なら知らない人はいないこの作品!
「ルパン三世」!!!
宝塚では、現代の美術館でルパン一味がマリーアントワネットの首飾りを盗もうとしたところ、18世紀のフランス革命期にタイムスリップしてしまうという始まり方で、早々に、舞台をお得意の美麗な世界観に移しています。
原作ファンからの評判も上々であった素晴らしい再現度。
ルパンが元々最低限のキャラ設定のお約束の下、媒体やシリーズ毎に様々な描かれ方をされていた作品であったためにアレンジしやすかった点、特有の作画である手足の細長さやスタイリッシュさを体現できた点で、宝塚での舞台化は成功だったと思います。
原作ファンの方、ルパン一味が歌ったり踊ったりしているところを是非ご覧になってみてください。
まだまだご紹介したい作品が沢山ありますので、次回は「宝塚の豊富な公演演目 part2」にいたします!
お楽しみに。
マイブームは職場で脳内妄想ミュージカル。