稽古場日記

稽古場日記 その5:シラノ役 木村桃香

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こんにちは!
シラノ役の木村桃香です。あだ名はももちです。

自己紹介をいい感じに書いてほしいと言われました。何から書こうかと色々考えましたが、わたしの好きなこと、わたしが『ヤング・ブラザーズ』に出演することになった経緯について書こうと思います。

 

わたしは演劇と音楽が好きです。

(チャットモンチーが好き)

 

なぜ今演劇をやっているか、そのルーツは約7年前。

中学1年生の木村少女は「部活に入りたい」と思いました。部活こそが中学生のアイデンティティ。中学生が中学生たるゆえんであると信じていました。

中学1年生のわたし、何を血迷ったか最初は家庭科部に入ろうとしたんです。別に家庭科部が良いとか悪いとかじゃなく、「あんたが家庭科部って、キャラ違うだろ!」と今でも思います。

「家庭科部に入ろうと思う」と言ったわたしに、元吹奏楽部の母はこう言いました。

「家庭科部なんか絶対やめとけ、吹奏楽部に入りなさい。あんたはその方が合うよ」

その通り。母は正しかったのです。

 

次の日、吹奏楽部の見学に行きました。色んな楽器を体験して、数あるパートの中でもいい意味で変人が一番集まっていたパーカッション(打楽器)パートに入りました。
ヘンテコな先輩たちに囲まれて木村少女はすくすくと成長しました。吹奏楽部はすごく楽しかったんです。

"みんなでひとつのことを目指して、その成果をお客さんに見せる"

これが楽しくて楽しくて。ここが間違いなくわたしの原点になりました。

 

その後は部活と勉強に打ち込む真面目メガネの学級委員を全うしたわたし。
もともとドラマとかお芝居を観るのがなんとなく好きで、高校では演劇部に入りたいと思っていました。

 

しかし、木村少女は受験戦争に惨敗します。

 

滑り止めで入ったわたしの高校には演劇部がありませんでした。結局また吹奏楽部に入部。
数あるパートの中、いい意味で変人が一番集まっていたパーカッションパートに入りました。高校でも打楽器をペコペコたたいていました。

(写真後ろ、左から4番目。旗で顔が隠れてるのがわたしです)

 

毎年のクリスマスコンサートでは、音楽劇に出演したり、その脚本を書いたりもしました。
3年生の文化祭ではクラスで演劇をやりました。『銀河鉄道の夜』に学者役で出演。


(ちゃんとした劇はこれが初舞台かも)

 

高校でも部活と勉強に死ぬほど打ち込んだ木村少女。
再び受験戦争に惨敗しながらも、なんとか大学生になることができました。

 

大学に来てやっと演劇サークルに入れました。劇団コギトという演劇サークルです。
ここの先輩たちも変人だらけで、とても居心地が良かった。悪しき飲み文化もなく、いたって平和な日々を過ごしました。

 

そんな大学1年生の夏、木村少女はインプロと出会います。

 

インプロ=即興芝居。

紆余曲折を経て、わたしは学生のインプロ団体、劇団しおむすびに入団します。

 

インプロとの出会いは間違いなくわたしの人生を変えました。

 

インプロをやる上での大切なマインドで、「失敗を楽しむ」というのがあるんです。即興だから上手くいく時もいかない時もある。だったら上手くいかないことも丸ごと楽しんじゃったらいい。

 

完璧主義でガチガチだったわたしも、だんだん自分の失敗やダメなところを許せるようになってきました。
脚本芝居をやる上でも、劇団しおむすびでの経験が活きています。

 

ありがたいことに最近は1ヶ月に1回のペースでインプロショーに出演し、たくさんの素敵な出会いに恵まれています。

(インプロバイザーももち)

 

 

大学入学後はひたすら演劇に打ち込む木村少女。
劇団しおむすびでインプロを学びながら、劇団コギトでは役者だけでなく、舞台美術、音響、照明、広報など、いわゆる裏方の仕事も経験しました。

(スピーカーを運ぶ音響ももち)

 

 

ヤング・ブラザーズはそんなわたしの前に彗星の如く現れました。

主宰の戸部さんは、面識は無いけれど、とにかくめっちゃ面白い人という印象だけありました。

 

昨年の第1回公演『バゲット・ネイション』にはお客さんとして参加していました。
小道具でバゲットをめちゃくちゃ食べると聞いて、カニかなんかのパテを差し入れた記憶があります。

 

第2回の今回はご縁があり、戸部さんの脚本演出で役者をやることになりました。

脚本はめちゃくちゃ面白いんですけど、どうもコメディに対して苦手意識があったんですね、わたし。
でも『ヤング・ブラザーズ』にはそんなモヤモヤした気持ちを吹き飛ばす強さがありました。

読めば読むほど『ヤング・ブラザーズ』が好きになります。稽古では苦戦することもありますが、なんとしても面白くしようと努力しています。まだまだ面白くしていきます。

わたしはこの作品が好きだとはっきり言えますし、自信を持って皆さんにこの劇を観に来てくださいと言えます。今回の役、シラノとの出会いをくれた戸部さんには感謝しています。

(最近撮った中で一番シラノっぽい写真。横浜中華街のでっかいフカヒレです)

 

ここでひとつ稽古秘話を。

 

戸部さんは笑いに厳しいです。稽古中も「それは面白くないよ」と普通におっしゃいます。ガラスのハートを容赦なく粉砕してきます。

そんな戸部さんには、打ち上げで抱腹絶倒の一発ギャグを披露してもらおうと思っています。さぞかし面白いんでしょうねえ。

 

あと戸部さんはよく「最近観た映画か舞台を教えて」と言いますが、洋画好きの戸部さんはわたしと趣味が合いません。わたしがどれだけ面白かったと言っても、「僕はそういうの好きじゃないから」と一蹴されてしまいます。

自分から聞いたのに!自分から聞いたのにイィィィ…!!!

 

 

 

……と、こんなところで、わたしのことを少しはお分りいただけたでしょうか?
今回のシラノという役は、わたしのことを知っている方にも知らない方にもぜひ観ていただきたい魅力的なキャラクターです。

皆さまが友達に会いに行くように、気軽に劇場に足を運んでいただけたら、これ以上の喜びはありません。
わたしは全力で楽しみ、お客様には気楽に楽しんでいただけるよう、これからも稽古を重ねていきます!

 

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!
シラノ役、木村桃香でした!

 

 

 

『ヤング・ブラザーズ』

脚・演: 戸部矢三
2018年9月14日(金)〜16日(日)
@ ART THEATER かもめ座

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一橋大学劇団コギトOBを中心に結成された演劇団体です。

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